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ヤフーショッピング出店無料化を自社ネットショップの追い風に

こんにちは、アラタナの山本です。
ヤフージャパンさん(以降、敬称略としてヤフーと表記)が、ヤフーショッピング出店の利用料無料化を発表され、私たちのネットショップ界隈でもインパクトのあるニュースでざわざわしています(汗)私も参った参ったです><

また、すでに多くの方がブログでコメントされていますね。

【外部リンク】ヤフーショッピング無料化に思うことYahoo!のショッピング手数料無料化で何が起こるか?

これらのコメントを拝見すると、どうも「広告の売上を大きくすることを意図している」と言われていますね。

まっ、それは、それとして・・・

インターネットの巨人ヤフーの施策変更が
私たちネットショップの運営者様やネットショップの構築ベンダーにとってどの様な影響が起きるのか?
ということの方が、はるかに重要だと思います。そこで、このページでは

1.ヤフーショッピング出店を無料化した理由はスマホ広告の巻き返しを図るため
2.自社ネットショップ運営者がヤフーショッピングを併用する時にやってはいけないこと
3.ヤフーショッピング出店無料化を自社の売り上げ拡大に活かすポイント

についてお話していきたいと思います。

 

1.ヤフーショッピング出店を無料化した理由はスマフォ広告の巻き返しを図るため

1-1 そもそもなぜヤフーはヤフーショッピング出店を無料にしたのか?

打ち手を考えるためには、まず環境の変化を把握しないといけません。
なぜ、ヤフーは今回の様な手を打ってきたのか?孫さんは「eコマース革命」と言われておりましたが、策士の孫さんに思惑が無いとは思えません(汗)

ひとまず、様々な方がコメントされている広告売上増加に関して調べてみました。

ヤフーショッピング(eコマース関連)の売上割合は全売上の13%程度

図1

 参照元:http://ir.yahoo.co.jp/jp/archives/present/

 

ここで最初に感じたのが、「ヤフージャパン全体に対してのコマース関連の売上貢献の割合が低い」ということでした。更に、コマース関連の取扱高を調べてみると、ヤフオク!の方が大きいんですね。

 

図2

 

ざっと計算して、ヤフオクはヤフーショッピングの2倍ほどの取扱高があります。また、取扱高に対して、5%(販売手数料)がヤフーにロイヤリティー収入になるとして

ヤフーショッピング : 740億円×5%=37億円

ヤフオク : 1,700億円×5%≒85億円

コマース関連の売上127億円の内、85億円がロイヤリティーという計算になり、その他が出展費や出品料になりそうです。(ショッピングの手数料が37億円というのは多すぎるので、実際はもっと小さいかもしれません。)

ちなみに、今回のeコマース革命の内容はヤフーショッピングの出店料とロイヤリティーが無料、ヤフオクの出品料が無料ですので、多めにみて4半期で60億円程度(年間240億)が0円になるんですね。しかし、ヤフオクの手数料を無料にしない所などが、秀逸だな・・・と感じざるをえません(汗)また凄い数字・・・ですが、ヤフー全体から見ると、6%程度(60億円/920億円)の売上減となるようです。

ヤフーはスマートフォン広告市場の取り込みに危機感を感じている?

6%の売上を落してでも獲得したいのは?楽天さんのパイなのでしょうか???ヤフーもNo1.の取り扱い高を目指すと発表していますし、安直に考えるとそうなのですが・・・ここでは、違う角度からとして、売上成長率を調べてみました。

 

図3

 

広告関連が含まれるマーケティングソリューション事業は、ヤフオク、ヤフーショッピング(コマース関連)が含まれるコンシューマ事業に比べて、売上が2倍、成長率も2倍となっています。この数字を見ても、「広告事業を伸ばした方がいい」という判断にはなりそうです。

また、コンシューマ事業の伸び率がEC化率とほぼ同じ10%でした。そこで、広告市場の伸び、特にスマホ広告の市場の伸びを調べてみました。

 

図4

 参照元:http://cyber-z.co.jp/news/pressreleases/2013/0315_520.html

 

2011年→2012年の伸び率が3倍・・・その後も、30%成長で伸びるんですね。そして、数値を調べてみて、ポイントになるかな・・・と感じたのは以下の4点です。

【ヤフーを紐解く上でのポイント】1.ヤフーの広告事業よりスマホ広告市場の伸びが大きい
2.今はPCでも、将来的にはスマホなので、スマホ広告の存在感が年々大きくなる
3.スマホ広告売上の多くがリスティング広告なのに、今のスマホユーザーはグーグルの検索エンジンを使っている
4.存在感が大きくなるスマフォ広告市場はグーグルが支配している(支配されていく・・・・)

つまり、コンシューマ事業よりマーケティングソリューション事業の方が、売上規模及び成長性がはるかに大きいのに、スマホユーザーへのリーチに課題があるため、将来的に成長が止まる可能性が高い。そこで、「ヤフーショッピング出店無料化での短期的な売上減と引き換えに、中長期的なリスクへの打開策として、eコマース革命を仕掛けた」と予想してみました!どーでしょうか?

1-2 ヤフーショッピングの売上を0円にして、スマホの広告売上を獲得するには?

と、まぁ予想はしてみましたが、それだと足りませんので、「ヤフーショッピングの売上を0円にして、スマホの広告売上を獲得」という線でも少し考えてみました。

ヤフーが、スマホの広告売上を増やすには「ヤフーを活用するユーザーを増やす」ことにつきます。

 

【ユーザーを増やす方法】1.検索するユーザーを直接増やす2.広告に接触するユーザーを間接的に増やす

そのため、上図の2つの方法があると考えました。
また、下図内の色を変えて強調している箇所が、間接的に増やす方法のイメージです。

 

図5

 

直接ヤフーで検索する人を増やすには、ブラウザを抑えにいく必要があります。しかし、こちらはgoogleの独壇場で、これを崩すには相当難易度が高いと思います。

しかし、間接的でも収益機会はありますので、間接的な部分をとりにいき、接触頻度が増えれば、アプリなどを経由して検索する人も増え、結果、収益機会が増えるといった戦い方なのかなと感じます。予想で考えていますが、下記の記事などからも大きくは外れてはいないかな・・・とも感じます。

【参考記事】ヤフー新社長は「スマホ・ファースト」 ソフトバンクから「取締役3人」の深い意味Yahoo! JAPANと「食べログ」が業務提携–各種コンテンツで連携Yahoo! JAPANとクックパッドが業務提携

 

 

デバイス

2.自社ネットショップ運営者がヤフーショッピングを併用する時にやってはいけないこと

ヤフーのヤフーショッピング出店無料化の狙いは、スマホ広告拡大に対する打開策と予想してみました。ヤフーショッピング出店無料化は、あくまでもヤフーのコンテンツへの流入拡大が目的なので、流入したトラフィックは広告という形を介して、広告出稿主のサイトへ誘導するために活用されるはずです。つまり、起きえる現実として、自社ネットショップ運営者自身が労力をかけて作ったコンテンツがだれかの集客のために活用されてしまうのです。

そこで、ここからは、自社ネットショップ運営者がヤフーショッピング無料化の悪影響に巻き込まれず、メリットをうまく活用する方法を考えていきたいと思います。

2-1 自社ネットショップのコピーサイトを作ることは絶対に避けてください

まずは、避けるべきことをお話します。ヤフーショッピングを自社ネットショップのコピー又はその逆で作成してしまうことは避けた方がいいと思います。避けた方がいい理由としては、2つのグーグルの検索ロジックが上げられます。

参考記事1.Googleアルゴリズム変更 ~ コピーサイトを排除2.ドメインの多様性を検索結果で優先するようにGoogleがアルゴリズムを変更

この2つのロジックが、ネットショップにどの様な影響が起きるのか?
考えてみましょう。

複数店舗運営することは集客を面で抑えることにならないこともあります

自社型ネットショップ以外にも、各種のモールに出店されるネットショップの運営者様の声として多いのが「販売網(流通)を面で抑えるため」かなと思います。たしかに、リアルの世界では、複数のお店を構えれば、集客を面で抑える事ができるでしょう・・・

しかし・・・ネットの世界では、そうでもありません。その理由としてはグーグルの検索ロジックがオリジナルコンテツを優遇して、他サイトのコピーで構築されているサイトを、スパムサイトと認識して、検索結果から排除する仕組みがあるためです。

ネットショップを運営されている運営者様は、少人数で運営されていることもあり、効率化のために、一括商品登録ツールなどを活用されている方も多いとは思いますが、このツールの使い方には注意が必要だな・・・と最近感じます。

以下は一例ですが、自社サイトとモールサイトの商品データがほぼ同じサイトにおける、複数キーワード(カテゴリー関連のワード)での検索順位の平均値をグラフ化した図になります。

図6

自社ネットショップの検索順位がかなり残念なことになっています。

この2サイトは、掲載されている商品データやカテゴリー構造が同じで、違いはドメインです。

一般的にモールのドメインの方が、自社のドメインよりも強いこともあり、ドメインパワーの違いがそのまま、検索順位に影響を与えると考えられます。

この傾向は、先にモールを運用していて、その後自社ネットショップを立ち上げた方のほうがより顕著になる傾向があります。

なお、検索順位は集客にも影響を与えますので、結果、売上の差を生じてしまう原因になります。

つまり、各モール内での検索経由という意味では面抑えになりますが、自社サイトは集客の多くを検索エンジン経由で獲得しておりますので、面抑えの役割を担えなくなってしまいます。

モール型ECと自社型ECを併用する時には、参考記事として以下もご覧ください1.ECサイトで自社サイトと楽天ショップの重複コンテンツを防ぐ方法2.yahooショッピング無料化とamazonについてまとめ(後編)

2-2モール型ネットショップの検索結果は、即価格比較になる

次に、ヤフーショッピングに代表されるモール型ネットショップの集客の特徴についてお話します。

図7

【モール型ネットショップの特徴は3つ】1.モール型ネットショップの検索結果は、モールの一覧がヒットする傾向が高い2.商品詳細にアクセスしたユーザーも商品比較のために、モールの一覧に一度戻る傾向が高い3.一覧に戻ったユーザーは、価格で並び替えするなど比較検討モードになる傾向が高い

上記の2と3は、購入者の一般的な行動ですが、1.に関してはグーグルの同一ドメインからのページが検索結果で復数同時に表示されにくくしている検索ロジックが影響しています。

ヤフーショッピングの中では、同じ商品やジャンルを扱っているお店が数多く出店しており、よく似たサイトが多くなります。そうなると、上位ドメインとしての一覧ページの価値が高いと判断されるために、結果として一覧ページが上位化されることになります。

また、今回のヤフーショッピング出店の無料化に際して、出店者も増えると予想されます。そして結果的に、モールの一覧ページがSEO的に強くなりやすく、検索上位に表示されていくと予想されます。露出頻度が高くなったヤフーショッピングの一覧での商品検索では、低価格路線で勝負する店舗が有利になる傾向が強まると考えられます。

ちなみに、この傾向は調査をしていないため確認はできていませんが・・・サブドメインやディレクトリーで構成されている、無料や低価格のネットショップも同じ傾向があるのかも?と考えています。

2-3.最悪のシナリオ

■2-1 自社ネットショップのコピーサイトを作ることは絶対に避けてください
■2-2 モール型ネットショップの検索結果は、即価格比較になるで述べた、あまりよろしくない予想から、自社ネットショップ運営者がヤフーショッピング出店無料化の悪影響に巻き込まれまくってしまう最悪のシナリオを考えてみます。

【最悪のシナリオ例】ヤフーショッピングを自社ネットショップのコピーサイトで構築してしまう

集客力が未熟な中堅ネットショップの場合、ヤフーショッピングでそこそこ売れる可能性がある

ヤフーショッピングで売れるので、自社ネットショップの運営度合い(かける労力)が低下

ヤフーのドメインが本来持つドメイン力の影響で、自社ネットショップがコピーサイトとgoogleに認識される

自社ネットショップの集客力が低下して、自社ネットショップの売上は低下してしまう

ヤフーショッピングの運営に更に力を入れるが、同様のケースが増えてくるため、売上を増やす為に価格競争へ

ヤフーショッピングが201X年内にeコマース革命で定めた目標がクリアーされ、新しい形の課金がスタート

価格競争したために薄利多売になっていたところに、手数料が重荷になる

そこで自社サイトに注力しなおうそうと舵を切るが・・・自社ネットショップの集客基盤が喪失

ネットショップ市場からの撤退または大きく後退してしまう

特に上記のシナリオにはまってしまうサイトとして月商200万円未満の、自社ネットショップの売上の壁に直面している運営者様がおちいりやすいかもしれません。

壁に直面した時に、違う方法で少しでも変化があると、その変化に注目してしまい、結果、方針が変わってしまいやすいからです。

【以下のような考え方をお持ち方は、特に注意が必要です】1.ヤフーショッピング出店が無料化したのでヤフーショッピングに力を入れようと安直に考えている2.でも労力をかけたくないから商品一括登録ツールを使ってしまおうと安直に考えている

3.ヤフーショッピングを自社の売上最大化に活かす2つのポイント

ここまでは、ヤフーの狙いと、その流れに巻き込まれてしまって起きる最悪のシナリオを考えてみました。

最悪のシナリオと強調していますが・・・ヤフーからすれば、起きてほしいことではなく、インターネット界の巨人が大きく動いたために、脆弱な中小ネットショップが自滅的に巻き込まれてしまう悲劇といったところです。

さて、ここからは最悪のシナリオを避けて、ヤフーショッピング出店の無料化を自社の売上向上につなげるための方法を考えてみたいと思います。重要になる点は「複数店舗を持つ理由」に沿った対策を行うことだと考えています。

複数店舗を持つ理由は、「販売網(流通)を面で抑える」事です。ただ、方法を間違ってしまうと、最悪のシナリオで述べたことにもなってしまう可能性があるので、ここではそれになりづらい方法を提案したいと思います。

3-1 ヤフーショッピングに、お試し商品販売サイトとしての役割を与える

極端にわかりやすく提案するとして、ヤフーショッピングの一覧結果を入口としてとらえて、購入したお客様をリスト化して自社ネットショップの顧客化につなげる方法です。

【施策の流れ】自社の持っている商品の中でも、競合優位性の高い商品(入口商品)をヤフーショッピングに登録ヤフーショッピングの一覧画面での優位性を使って、商品露出機会を増やすヤフーで購入されたユーザーに本サイト購入を促すページを作成して自社の顧客化を行う

といった流れになります。

ヤフーショッピングの一覧画面での優位性については、ヤフーショッピングの検索結果の並び替え順にあたる「売れている順」「人気順」「安い順」「レビューが多い順」に対しての上位表示化を獲得しやすくなることが期待できる点です。

例えば、入口商品を決めておけば、その商品だけ多めに仕入れすることで原価を抑える交渉もしやすいことがあります。原価を抑えることができれば、安く提供できることになり、結果、「売れている順」「人気順」「レビューが多い順」につながる可能性が高まります。本来は全商品で、その対策ができればいいのですが、コストがかさみ過ぎると突っ込んだ施策ができませんので、絞ることで他社優位性をより高めていきましょう。

また、更に価格優位性を活用すための、商品の値下げ幅の決め方として、ヤフーショッピングを広告(顧客のリストを獲得するツール)と捉えれば、PPC広告のCPA(1件購入していただくために費やしたコスト)分は値下げしてもいいと考えることもできます。なお、ヤフーショッピングを顧客のリストを獲得するツールとして活用するサイトは多くなると予想しており、思い切った施策を行えたネットショップにお客様が集中するのでは・・・とも感じています。

PPC広告のようにクリックされたら費用が発生するのではなく、購入されなければコストが発生しませんので、運営者にとってもより思い切った施策がとれるからです。

3-2 ヤフーを活用しているユーザーに沿った商品陳列を行う

一例になりますが、「介護系の商品はヤフーショッピングでは売れやすい」という運営者様の声をお聞きすることがあります。確かに、私たちのまわりの年代の人(20~30代前半)にグーグルとヤフーのどちらを活用していますか?と聞いた場合、グーグルのほうが多くなりますが、年齢が高いほどヤフーの方が利用される人が多いのでしょう。

この、ヤフーを活用しているユーザーに沿った戦い方に関しては、予想で対応するのも有りですが、自社ネットショップのアクセス解析から導く方法を検討するのも有効だと思います。実際に購入に至っている商品のうち、ヤフーの検索エンジン経由の商品を調べていき、商品セレクトしていけば答えに行きつけると思います。また、行き着いたセレクトに沿って、「ヤフーショッピングに、お試し商品販売サイトとしての役割を与える」で説明した、手法をプラスすると更に有効になると考えています。

まとめ

少々長々とお話してきましたが、以上が、ヤフーショッピング出店無料化を自社ネットショップの追い風にするための方法です。

私たちもカゴラボという自社型ネットショップの構築を支援するサービスを提供しておりますので、少なからず今回のヤフーショッピング出店無料化の影響を受けてしまう立場になると感じています。これは、運営者様も同じことで、今回のヤフーショッピング出店無料化から、「何を学んだのか?」を最後にまとめておきたいと思います。

運営者様が理解すべきこと

1.スマートフォンへの対応を重視すべき

インターネット界の巨人ヤフーも大きく舵を切っている位、ユーザーのスマホへのシフトが大きくなっています。

2.短期的ではなく、あくまでも中長期的な視点で自社ネットショップを運用しましょう

ヤフーショッピングの目標が達成された後の動きは不明で、不確定要素が大きいことは認識しておきましょう。また、本当の意味での、「販売網(流通)を面で抑える」施策を、中長期的な目線で考えることが重要です。

システム提供者が理解すべきこと

1.スマートフォンへの対応を重視

運営者様と同様ですが、インターネット界の巨人ヤフーも大きく舵を切っている位、ユーザーのスマホへのシフトが大きくなっています。PCユーザー、スマホユーザーでは、デバイスの利用頻度、利用用途、利用タイミングなど違いがありますので、その違いをパッケージに反映する必要もあります。また、同時に、運営者様の負担を過剰に上げてしまわない仕組みも必要になると考えています。

2.ヤフーショッピングを入口商品販売サイトとして運営しやすい仕組みの提供

・全商品をモールに登録するのではなく、任意でピックアップして自動登録ができる
・商品名など主要なキーワードは個別化できること
・ヤフーIDで、自社ネットショップの会員登録が簡単にできる(これは理想です・・・)

など、グーグルのスパム判定のロジックを避けながら、本当の意味での「販売網(流通)を面で抑える」がやりやすいシステムの提供などが重要になると考えています。

この記事を書いた人

EC業界の今