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アマダナ熊本氏 × アラタナ濱渦が語るデザイナーの未来とは?

今回のaratana24hでは、株式会社リアル・フリート熊本浩志さんと、アラタナ濱渦の対談をご紹介致します。

 

熊本さんは、今や日本を代表するデザイン家電ブランドとなったamadana(アマダナ)の創設者でもあり、株式会社リアル・フリート代表取締役でもあります。実は宮崎市のご出身です。

 

今回の対談では「ブランディング」や「デザイナーの未来」について、アツく語ってくださいました。

 

 

「アマダナっぽいね」が
僕らにとっては凄い褒め言葉

「アマダナっぽいね」が 僕らにとっては凄い褒め言葉

濱渦 伸次 以下濱渦)熊本さんとは同じ宮崎出身ですし、アラタナとアマダナも名前が似てて、勝手に親近感湧いてるんですが(笑)

 

 

 

熊本 浩志 以下熊本)由来とかコンセプトはまるで違うけど(笑)

 

アラタナは「新たなものをつくる」って意味ですよね。
アマダナは江戸の漆器で有名だった尼店(あまだな)という町にちなんでいます。

 

江戸時代になってようやく、日本のプロダクトが西洋にも輸出されるようになるんですが、以来西洋では漆器が「JAPAN」って呼ばれてるんですよ。

 

日本の伝統美をあらわすプロダクト、デザインそのものが「JAPAN」として認識されてるんです。
日本人にしか出せない色、カタチが「JAPAN」と呼ばれているということは、本当に凄いことだと思うんですよね。

 

だけど、確かな品質を生み出すことのできる日本技術は、いまや海外勢におされて元気がないと言われています。

 

だからこそ、この21世紀に新しくてカッコイイものづくりで日本を、そして世界を楽しませたいと思って「アマダナ」という名前をつけました。

 

 

 

濱渦)アマダナでは、これまでにも様々なプロダクトを発信されてますよね。
2008年のスタイリッシュな携帯電話は特に、有名すぎる話ですけどインパクトありました。
いわゆる「ブランド携帯」って、それまで確立されていませんでしたよね。

 

アラタナの本社にある休憩室にも実は、アマダナの冷蔵庫を置かせて頂いてるんですが、そこにあるだけで空間がデザインされてるというか、高級感が出るというか。

 

「それっぽく」キマるんですよね(笑)

 

 

 

熊本)そうそう、アマダナって実はその「っぽさ」っていうのを大事にしています。
第三者に「っぽい」って言わせるのって実は凄く難しい。

 

でも「っぽい」って定義されると、拡散力や影響力が高まるからブランドを考える上ではとても大事なポイントなんですよ。

 

だから「これって何となくアマダナっぽいよね」ってキーワードは、僕たちにとっては凄い褒め言葉なんです。

 

 

 

濱渦)おしゃれな会社の受付受話器は、高確率でアマダナですからね(笑)
アマダナのブランディングに学ぶべきポイントってたくさんあると思ってます。

 

 

 

熊本)ブランディングでは、少ない情報や資源でどれだけ効果を最大化出来るかっていうことが重要です。
「アマダナ」が生まれた2003年は、画一化された工業製品に「デザイン」という付加価値を導入することが、ものすごくチャレンジングで新しいことだったんです。
だからこそ一気にブランド認知に繋がりました。

 

ただ、僕は社内外で常々「ブランドというのは手段だ」と語っています。
モノを表現するための「デザイン」というものが一般的に解りやすいから、それを「手段」として利用したんです。

 

ブランディングの観点で言えば、世の中の情勢や社会性、業界の状況などを踏まえた上で、タイミングを見計らうこともとても重要です。

 

そういう意味では、スタートアップの「アマダナ」はそれを上手にやり遂げたと言えます。

 

ですから、実践することすべてに意味を持っていましたね。
「配ってもらうブランド」として「電卓」をラインナップしたり、「TOKYOのクリエイティブの象徴」である原宿に本社と店舗を持ったり、当時「ゼロ円」が当たり前だった携帯電話業界に、最初に「ブランド」という概念を持ち込んだり。

 

すべては「ブランド」を育てる為の「手段」でした。
そしてその「ブランド」こそが最も効率的、効果的にビジネスを展開する為の「手段」だと、そんなことを常に考えてますね。

 

「アマダナ」って業界の挑戦的なところがイメージとしてあると思っているし、それを演じきるってところもあります。

 

演じきってるから、「アマダナっぽい」って言ってもらえるんだと思います。

 

 

新しいものは新しいところからしか生まれない

濱渦)アラタナも「アラタナっぽさ」を演じることが大事、と(笑)

 

アマダナっぽさの表現もそうですが、アマダナの、新しいものにどんどんチャレンジしていくという強い姿勢は、僕も経営者として共感するところがあります。

 

新しいものを生み出すときには、ひらめきのようなインスピレーションや、時にはその製品の「不便さ」がヒントになったりしますよね。

 

アマダナでは、どういった考え方から新しい製品が生まれてくるんですか?

 

 

 

熊本)それなんですが、「新しいもの」って全く別の「新しいところ」からしか、生まれてこないんですよね(笑)

 

過去の延長線上にイノベーションは起きないということです。

 

例えば、すこし前まで日本では「ガラパゴス携帯」といわれるような携帯電話が主流でした。
その頃の製品開発者は「パカパカ開閉できて、小さくて薄くて画面も大きいもの」が「携帯電話」だと思っていたんですね。

 

実際、そういったものばかりが売れていました。
だからこそ、更なる高画質や軽量化を求めて一生懸命、改良に改良を重ねてきたわけです。

 

ただ、改良に改良を重ねてきた「パカパカ開く携帯電話」という歴史の中では、いまの「スマートフォン」を思いつくことが非常に難しくなります。

 

当時の開発者に、いまのスマートフォンを見せても「こんなに画面もむき出しで、大きくて平たいものが流行るわけがない」とみんな口を揃えて言ってました。

 

でも結果としてスマートフォンは、いわゆる「ガラパゴス携帯」に取って代わりました。
電話の進化系としてではなく、新しいコミュニケーションツールとして世代交代したわけです。

 

日本人はカテゴライズすることが好きなので、いまのアマダナは「デザイン家電ブランド」なんて呼ばれ方をされていますが、僕自身は「今の家電のカタチ」にこだわってはいません。

 

電気屋で生まれたルーツを持つから、「電気」という産業には人一倍こだわります。
これからも、電気や通信技術を使った新しい体験やサービスを編み出していきたいと考えてます。
でもそのアウトプットにはこだわらない。

 

ある一定の方向に偏りすぎたこだわりは持たないことが大事かなと思います。
携帯電話の例と同じく「新しいもの」を生み出すことができなくなりますからね。

 

そして今も、アマダナは次の大きなテーマに向かっています。
さまざまな産業がシームレスになっていく「スマート化」です。
もはや世の中はもう、十分便利でお腹いっぱいですから、単に機能的なもの・効率的なものにお金を払うという時代から「体験」そのものにお金を払う時代にシフトしています。

 

その「体験」にモノが付属するというイメージです。
ですから、モノを考えるときには時代にマッチした新しい「体験」みたいなものも、同時に考えてますね。

 

 

 

デザイン村の人間にはなるなって常々言っています

濱渦)熊本さんってホントに発想が柔軟というか。
クリエイティブな思考がとてもデザイナーに近い考え方なんじゃないかなと感じます。

 

アマダナのデザイナーと接するとき、熊本さんが大切にしてることって何ですか?

 

 

 

熊本)「お前はデザイナーだからこうだろ」とか「こうしろ」とか。
そういう言い方をしないようにしています。
そのデザイナーの成長領域を、こちらから決めつけちゃうようなことはしたくないんですよ。

 

デザイナーって、デザイナー同士でかたまりたがる傾向が強いように思います。
寄り集まって「この曲線のカタチがどうの」とか、つい語っちゃうんですよね。
そういう集まりのことを「デザイン村」って僕は呼んでるんですが(笑)

 

うちのデザイナーにはその「デザイン村の人間にはなるな」って常々言っています。
デザイナーって、普通の人が気付かないようなディティールばっかりに目がいきがちなんです。
もちろんそれ自体は、全く悪いことではありません。凄い能力だと思う。

 

しかし果たして、それがそのまま市場で価値になるのか?と。
デザインって、モノやサービスの価値を高めることが目的なので、デザインが解らない人にもしっかり価値を提供することが大切です。

 

だから「デザイナーがデザイナーに評価されてどうするんだ?」っていつも文句言いながら、僕はデザインが解らないフリをしてます(笑)

 

 

 

誰とでも目線を合わせられることが大事

濱渦)「経営者たるもの、デザイナーであれ」「デザイナーたるもの、経営者のようであれ」って言いますもんね。

 

 

 

熊本)デザイナーに限らず、クリエイティブなスキルが求められる現場はこれからもますます増えていくと思うんです。

 

技術的なスキルもそうですが、既にデザインの領域もどんどん多様化しているので、それに適応するスキルも求められます。

 

だけどそれと同じくらい、色んなものにアンテナを張って情報を拾っていくスキルも、今後もっと重要になってくるだろうと。

 

だから、デザイナーに伝えたいのは「デザイン村」に群がるばかりではなくて、デザイナーじゃない人たちとも積極的に交流してほしい、ということです。

 

経営者や技術者といった垣根を超えて、たくさんの知識や「ものの見方」を学んで、それをデザインに活かしてほしい。

 

もっと、人と人との会話を大切にしてほしいですね。

 

 

 

濱渦)コミュニケーションスキルが問われますね。

 

 

 

熊本)経営者としてもデザイナーとしても、それが一番大事かと。

 

デザイナーって、すぐ絵に頼っちゃう傾向があると思うんですけど、僕は敢えて「絵を使わずに、言葉だけで説明できるか?」「プレゼンできるか?」と問います。

 

誰かに何かを伝えるときには、まずしっかりとした「伝えるべき言葉」が必要です。
デザイナーであっても、そのことは変わらない。

 

ちょっと偉そうなことを喋ってしまいましたが、これからは間違いなく「デザイナーの時代」です。
そのことも、彼らには伝えています。

 

今後、メディアのあり方もコミュニケーションの手段もますます多様化していきますから、それに応じて、デザイナーの活躍の場もどんどん広がっていきます。

 

色んな人と話せて、プレゼンできて、誰とでも「目線を合わせる」ことができるデザイナーが、今後ますます必要になると考えています。

 

 

 

熊本 浩志(くまもと ひろし)
株式会社リアル・フリート 創業者・代表取締役社長
<略歴>
1975年宮崎市生まれ
電気店の長男として育ち、自他共に認める家電好き。
大学卒業後に東芝の家電部門を経て、2002年に27歳で独立。
翌2003年に家電ブラド「amadana」を立ち上げる。
※掲載情報は2013年12月のものとなります。

http://realfleet.co.jp/

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