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身の回りの調味料パッケージフォントデザイン24選

こんにちは!
カゴラボ事業部でディレクター兼ウェブデザイナーをしている櫻木です。

デザイナーは、日常の中で「デザインのヒント」を見出すのが得意です。
友達との何気ない会話や、通行人の観察、街の雰囲気や看板、公共交通機関などなど…
目や耳に飛び込んでくるありとあらゆる情報から「これスゴイ!」「デザインのネタになりそう!」と、日々ムフムフ妄想しています。

日々お世話になっているスーパーマーケットもその例外ではありません。(唐突)

陳列棚に鎮座する商品たちのラベルやパッケージなどのデザインは、まさに宝の山。
そこに込められた制作者の想いというか、何を表現したいのか、何を訴えたいのかなんてものがひしひしと感じらますし、同時に、同じデザイナーとして凄く勉強にもなります。

というわけで、今回はそんな商品パッケージのデザインにフォーカス。

独断と偏見で勝手に!

商品ラベルやパッケージデザインをレビューしていきます。
ひとつひとつ細かく解説していると日が暮れちゃうと思うので、今回は特にフォントデザインにスポットを当てていきたいと思います!

おことわり
比較対象をはっきりするため、今回は特に「調味料」に的を絞ります。
また、スーパーでiPhone片手にパシャパシャ撮影していると店員さんたちに怒られそうなので、今回は既にあるもの・新たに購入したものからピックアップしてご紹介していきます!

 

スタミナ系調味料に頻出!ボールドで力強いフォント


トップバッターは、焼肉のたれ。
なぜなら櫻木、今猛烈に焼肉が食べたいから!

ご覧の通り「これでもか!!!」ってくらいにボールドで力強いフォントです。
しかもこのパッケージの場合は「黄金」とその名がつきますから、フォントもしっかり、キンキラキンにデザインされています。

縁の立体感の表現も素敵ですね。
これは専門用語で「ベベル」といいます。
英語で斜面、斜角を意味していますが、昔の日本では「どて」と呼ばれていたようです。
カワイイですね。

さて、パッケージに戻ります。
よくよく見ると、右側に小さく「焼肉のたれ」の文字が。
これ、「黄金」に比べて小さすぎませんか?

一見すると「分かるのかなこれ?」と心配になるレベル。
というかむしろ逆に「黄金」が自己主張しすぎなんですけども。

実はこのパッケージ上部にはしっかりと「エバラ」ロゴが挿入されています。
ロゴ部分、写真ではトリミングしていますが、TVCMを見たことがある方なら誰もが

♪エッバラァ焼肉のォたァれッ♪

のフレーズを連想してしまうのではないでしょうか。

つまり「エバラ」のロゴを見れば「焼肉のたれ」だとおおよそ予想するだろうから、いちいち「焼肉のたれ」を大きく表記せずとも問題ない、誤認されるおそれはない、というわけ。
「エバラ」というブランドがしっかりと確立されている例と言えます。
これぞまさしくブランディング!

それにしても「黄金」、デカいですね。
ベベルのリッチ感も手伝って、迫力さえ感じます。
「何が黄金なんだろう?」という疑問さえ抱いてしまいそうですが、焼肉好きのターゲットに対しては、この迫力が「何か凄そう」「これで焼肉を食べたらもっと凄いことになるんじゃないだろうか」というイメージにシフトさせ、購買に繋がるのだろうと櫻木は睨みましたよ。

このパッケージデザイン、計算されてますね。
あっぱれです!


お次はラー油のパッケージ。
手書きの筆文字フォントで表現された「いかにも!」って感じのフォントデザインです。

こんなに力強さ見せつけられちゃうと、もうそれだけでお腹いっぱいなんですけども…
躍動感にあふれた筆文字でデザインされているのがとっても印象的です。


こちらもスタミナ系のパッケージですね。


こちらもですね。
櫻木が愛してやまない中華調味料、ウェイパーです!!!
このパッケージもかなり力強いフォントでデザインされています。

かなりヤバめですね。
何しろ「味」を「覇する」んですからね。
中華料理店のために開発された商品なだけあって、実際これだけで何でも美味しく中華!に仕上がります。

特にスタミナをつけたいときには、ぶた肉・ニラ・にんにく・たまごにウェイパーをドーン!!!
…ヤバい。これを書きながらヨダレが垂れてきました。

きっと「味」を「覇する」ものとしての誇りを表現しているのでしょう。
ボールドで力強く、また黒でハッキリと書かれたフォントは自己主張の塊のように感じられます。
また仮に、このパッケージを見たことが無い人、ウェイパーの存在すら知らない人に対しても「何か凄そう!」という印象をあたえてしまうのではないでしょうか。

よく、テストのときには先生から

とにかく大きくハッキリした字で書け!

ってアドバイスされますよね。

大きくハッキリした字だとそれだけで自信満々に見えるため、たとえ間違った回答やプロセスであっても見過ごされる確率が上がる、と言われています。
また逆に、小さく縮こまった字だとそれだけで自信がなさそうに見えてしまう、よくよく覗きこまなければならず、採点するときに「あら探し」されやすい、などの側面があります。

極端な話「大きくハッキリした字=元気・活発・ポジティブ」「小さく縮こまった字=静か・華奢・ネガティブ」に捉えられやすい、というわけですね。

櫻木、ウェイパーのフォントデザインもこれと全く同じ原理だと推測します。
シンプルなんだけど、フォントがボールドで力強いだけで

自信ありげに見えちゃうんです。

ちなみに櫻木、このウェイパーはれっきとした中華調味料だと思ってたんですけど、色々と調べてみたら日本企業による国産商品でした…!!!

驚愕の事実すぎて傷心のあまり中国出身のフロントエンドエンジニア・胡くんに聞いてみたところ
「ウェイパー?聞いたことはありますよ。中国にも似たような調味料があります。」
とその商品をググッてくれました。

が、それはどちらかといえば鶏ガラスープの素っぽいパッケージ画像でした。

(・ω・`)…

でもこうやって、中国からの輸入品だと「思い込まされてる」人って多いんじゃないでしょうか。
それはきっと、このウェイパーのパッケージフォントから伺える、中華調味料としての「自信ありげな雰囲気」がそうさせるのではないでしょうか。

そう、スタミナ系調味料のパッケージは「自信」の塊なのです。
そのようにフォントが完全に、デザインされまくっちゃっているのです。

スタミナ系調味料パッケージは「ボールドで力強いフォント」で「自信」を表現している。

「老舗感」をアピール!?隷書体フォント


キング醸造さんが出している料理酒のパッケージ。
ハンコなどでよく見かける隷書(れいしょ)体ですね。

一説によると、隷書は秦の時代に中国において、業務効率を上げるため、可読性を高めるために公文書で用いられるようデザインされた書体なんだそう。(by ウィキペディア)
全体的に横長なのが特徴で、左右の払いが波打つような形状をしています。

しかし、食品の商品パッケージとして使われている例は少ないのではないでしょうか。
それぞれのフォントひとつひとつが、ハッキリくっきりしているために「料理酒」と流れるように読めるものではありません。

「料」と「理」と「酒」、それぞれがそれぞれに主張しているというか。

この効果があると、(先のフォントがボールドで力強いのと同様に)どっしりとした印象を受けます。
また、歴史の古い書体であるがために、櫻木は「老舗感」を覚えました。

なんでも、前身となる醸造業を始められたのは1900年(明治33年)。
定義としては、一説に「創業30年以上事業を行っている企業」とあるのでキング醸造さんも立派に「老舗」ということになりますね!

ウェブサイトを見る限り「昭和のかほり」を思わせるアイキャッチなども見受けられるので、ブランディングの一環としても意識していそうです。

演歌歌手の田川寿美さんがイメージキャラクターなんだそうです。
ウェブサイトもパッケージの世界観をそのままにデザインされているように感じます。

隷書体フォントはどことなく「老舗感」を感じる。

和調味料の王道!筆文字フォント


今度はわさびドレッシング。
躍動感にあふれた筆文字でデザインされています。

ゴールドっぽい縁取りがどことなく「ゴージャス感」を印象づけます。
なんでもこの商品、モンドセレクションの金賞を受賞しているのだとか。
櫻木、筆文字フォントのゴールドの縁取りも、モンドセレクションの金賞受賞とリンクさせていると睨みましたよ。

だって、モンドセレクションでも取ってなかったら、もっと「わさびを連想させる緑」でいいはずだもの…!!!

しかもこのゴールドでのデザイン、よく見ると実はもうひとつ、重大な役割を担っていることに気づきます。

まずこのフォントについて。
上記の画像のままではちょっと分かりづらいので、一旦、イラストレーターでフォントのみトレースしてみます。

パッケージの歪みもそのままトレースされていますので、若干の違和感は拭えませんが…

櫻木的には「さ」が好きです。
この、流れるような、やる気のあるようで無いような「さ」。
「わ」と「び」の丸みを帯びたフォルムに挟まれ、そこはかとなく佇む姿に哀愁を覚えます。

…おっと、脱線しました。

この「わさび」が異様に大きく感じられるのは、太めの筆文字であるからにほかなりません。
「ドレッシング」であることよりも「わさび」であることに着目して貰いたいという気持ちのあらわれと言えます。

当然のことながら、この商品はドレッシングの並びに陳列されます。
そのときに、「わさび」であることが分からないと手に取ってすら貰えませんもんね。
そのための「わさび」の強調です。

ただ、これだけでは統一感に欠けます。
「わさび」が筆文字、「ドレッシング」がゴシック体になっているためです。

さて、ここで先ほどのゴールドの縁取りをオンしてみましょう。

あらふしぎ。
ひとつのまとまりに、見える。
ちゃんと「わさびドレッシング」と、一息で読める。

このゴールドの縁取りが「わさび」と「ドレッシング」の橋渡し役となって、上手にひとつのデザインとしてまとめているんですね。

ついでにこのゴールドを緑に変えてみましょう。
するとどうでしょう。

わぉ…!!!
一気に「庶民的」というか「野暮ったい」感じになりましたね。
わさびっぽさが全面に押し出されすぎてて、先ほどの「ゴージャス感」や「プレミア感」がかき消されてしまいました。

このことから櫻木は、モンドセレクションというブランド力と、ゴールドのもつ潜在的なプレミア感を合体させてデザインされている例なのだと判定しましたよ。

このほかにも、和な調味料にはさまざまな筆文字フォントが存在します。


おろししょうがのパッケージとか。
(これ、使えるんですよ、かなりいいです。)


ごま油パッケージ。


さっきとは別の料理酒パッケージ。


めんつゆの代わりにもしゃぶしゃぶにもおだしにも使える、かつおしょうゆのパッケージ。

こうしてみると、やはり「和」の調味料パッケージデザインは筆文字フォントが優勢です。
パソコンでただ打ち込んだテキストと違って、「てづくり感」「人の気配」「ぬくもり」「親しみ」みたいなものが感じられるからなのではないでしょうか。

「和食」=「おふくろの味」。
「おふくろの味」なんだから、やっぱりフォントにも人の手を加えておかないとね、的な発想なのではないかと妄想します。

和調味料は「筆文字フォント」で「ぬくもり」や「親しみ」を表現している。

【番外編】筆文字の流れを引き継ぐ!?明朝体フォント

和テイストを強調する筆文字から派生していると思われる、明朝体フォントも多数発見しました。
これらも、主に和調味料として使用されることが多いようです。


ごましゃぶのタレとか。


味の素、とかとか。


このパッケージもそうですね。


和、ではないですが同じアジア圏ということで。
代表格、オイスターソース。

海外勢では逆転!ゴシック体フォント

対する(西洋を中心とした)海外勢の調味料になると、印象がガラリと変わります。


みんな大好き、ハインツのトマトケチャップ。
別にフォントが読めなくても、きっと「HEINZ」の文字とトマトの絵さえ載っていれば「ケチャップ」だと解ってしまうんですよね。

和の調味料のときは筆文字をはじめ、親しみのあるボールドな印象だったのに対し、海外の調味料になると急にオシャンティになるんですよね。
まぁハインツの場合、正真正銘アメリカ生まれアメリカ育ちのブランドなので「海外っぽい!」ってなるのは当たり前ですけども。

ゴシック体を基調としたボールドめなフォントで、キャピタル(大文字)のみを使用して表現されています。
こちらのボールドで力強い印象も、何となく「自信」に満ちあふれている気がします。


日本企業が作る、海外調味料ウスターソース。
こちらも同様、西洋を意識してか急にゴシック体フォントになりました。
日本企業が製造元であるにもかかわらず、です。

全体的に丸みを帯びてちょっとポップな仕上がりになっていますね。
ゴシック体になると、筆文字や明朝体と違ってスタイリッシュに見えます。


うむうむ、レモンも海外由来ですね。
ちなみにレモンはヒマラヤが原産なんだそうですよ。

これも前述のウスターソースと全く同じようなカテゴリになりそうですね。
フォントの系統が似ています。


フォントの系統が似ている、という分類でこれも。
ちょっとセリフ体チックですが、まだゴシックに近いのかなと。


櫻木的に衝撃だったのはこの、スイートチリソースのパッケージ。
「いいのか!?これでいいのか!?」
と思ってしまったほど、華奢なフォントに思えます。


コショーは海外由来なのでこちらでご紹介。
このパッケージもゴシックフォントですね。

「プレミアム」を演出するときはやはり!セリフ体フォント


パスタにかけるパルメザンチーズのパッケージ。
あれってなんで、緑なんでしょうね。
疑問なんですけども。

まぁそれはさておいて。
ゴールドの縁取り(既視感!)出ましたね〜。
プレミアム感ギンギンギラギラ。

しかもセリフ体ときました。
海外勢でも、プレミアム感を出したいときにはセリフ体(海外でいう毛筆体)がセオリーなんでしょうか。

別のパッケージも見てみます。


エクストラバージンオイル。


こちらは何だか、ジブリっぽい。


これは番外編的なニュアンスですが、クレイジーソルト。
バラバラに分解されたフォント使いで道化的な、楽しげな雰囲気が表現されてるパッケージです。

海外調味料は「セリフ体フォント」で「プレミアム」を演出している。

まとめ

みなさん、ふだん何気なく手に取っているその商品。
そのパッケージも実は、綿密に計算されていて、手に取って貰えるようにデザインされているんじゃないでしょうか。

和なものを連想させるためには筆文字フォントでしなやかに。
洋風なものを連想させるためには英語フォントとイラスト・イメージ写真でカッコよく。
中華はこれでもか!ってくらいボールドで力強いフォントでアピールを怠らない。

それぞれのパッケージごとにセオリーみたいなものがあってこそ「っぽい!」と思わされるのではないでしょうか。

また、「っぽい!」と思うからこそ、安心して手に取ってしまっているのではないでしょうか。
ある意味での「っぽさ」を追求し続けている世界なのではないかと思います。

こんなふうに、みなさんもぜひ、「日常の中にあふれるデザイン」に目を向けてみてください!

この記事を書いた人

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