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ネットショップの資金調達、ECサイト向けビジネスローンの将来性

 

ジャパンネット銀行、Yahoo!ショッピング出店者を対象とした「JNBストアローン」を提供開始
(ヤフーはジャパンネット銀行の40%以上の株をもつ大株主なのでYahoo!ショッピングなのです)
JNBストアローンは、Yahoo!ショッピング出店者に8%程度の利率で1000万円までの運転資金を融資してくれるサービスで、アマゾンでいうところの「Amazon レンディング」楽天でいうところの「楽天スーパービジネスローン」 と同様のサービスになります。

 

ECサイト向けビジネスローンは、個人的に注目している分野でして、ちょうどニュースがあったので深読みしてみました。

ECサイト向けビジネスローンに関しては、3つの点で注目しています。

1.資産価値が変化している
2.ECサイトは勝ち組、負け組の格差が広がる
3.安全性の高い金融商品はお金が集まりやすい

まずは、資産価値の変化について考えてみましょう。

 

1.資産価値が変化している

不動産の価値は下落している

身近なローンとして不動産ローンがあります。
不動産ローンは、住宅を購入する時に購入する不動産を担保にして借金をする方法です。
お金を貸す側からすると、返してくれなかった時のリスクヘッジとして、住宅を自分の物にできる権利をつけて、お金を貸すわけです。

しかし、昨今、リスクヘッジにとっている不動産の価値が変化しています。

一番わかりやすいのが、賃料の変化なんですが、下図は銀座の賃料の変化を示した図になります。

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「CBRE」事業用不動産レポート より

賃料は景気の変動で大きく変わるでしょうから、一概に何かの影響で下がっているとは言い切れませんでが、明らかにダウントレンドです。

通行量に代表される「立地の価値」とお店の収益が比例して賃料が決まるのですが、賃料が下がっているということは立地の価値が下がっていることと同じなのではと考えられます。

なお、人の通行量に変化がないとしたら、通行者がウインドショッピングをしなくなり、何かに流れていると考えられます。

インターネットの価値は高まっている

消費者が情報を得る場の変化があるとして、どこに流れているのでしょうか?

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「AdverTimes」2013年「日本の広告費」、1.4%増の5兆9762億円 2年連続で増加 より

上図は、媒体別広告費の推移ですが、プロモーションメディアが下がって、インターネット広告が増えているのが見て取れます。
(もちろん、インターネット広告だけ上がって、その他が落ちていますので、プロモーションメディアと関連させるのは無理があるのですが一旦、そうとらえるとして・・・)

ちなみに、プロモーションメディア広告とは「屋外広告」「交通広告」「折込広告」「DM」「フリーペーパー・フリーマガジン」「POP」「電話帳広告」「展示・映像他」これらの媒体のことで、テレビ番組のようなコンテンツの恩恵を受けるのテレビCMと違い、単体で直接訴求力のあるメディア媒体です。
プロモーションメディア広告とは?広告費シェアで多くを占める媒体の正体より

不動産などの通行量を活用した媒体(プロモーションメディアが)から、インターネットの媒体に人が流れているから、売上が変化している。
つまり、「インターネットのトラフィックは不動産のような価値になりえる」と考えることができるのではないでしょうか。

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2.ECサイトは勝ち組、負け組の格差が広がる

ECサイトの格差については以下2つの記事をご覧ください。

ネットショップは格差が激しい戦場

EC戦国時代に成功する、売れるネットショップとは?

 

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ビジネスローンを考えた場合、成功するECサイトと失敗するECサイトが把握できて、成功するECサイトにだけ融資できれば商売になるはずです。

Yahoo!ショッピングもAmazonも楽天も、出店者の売上データは把握できるので、返せる出店者にだけ融資しているんだと思います。

独自ECサイトにおいては、ネットショップの最大のメリットは数値で全て把握できることでも示す通り、与信分析にも活用できるECサイトデータは全て把握できるので、融資の可否を判断するアルゴリズムをつくることは可能だと思います。

 

3.安全性の高い金融商品はお金が集まりやすい

「1.資産価値が変化している」でインターネットのトラフィックは不動産のような価値になりえるので、不動産ローンのようなビジネスモデルは考えられる。

「2.ECサイトは勝ち組、負け組の格差が広がる」で融資すべきECサイトを判断するアルゴリズムをつくることが可能。

と述べましたが、最後に融資資金の調達の話です。

ECサイトを担保にして安全性の高い金融商品にする

資金を集めるためには、リスクに応じたリターンを設定することですが、特にリスクが低ければ低い方がお金は集まります。

リスクは「借り手がお金を払ってくれない」ことですので、リスクヘッジは「借り手がお金を払ってくれ無かった時の打ち手」になります。

不動産ローンの場合は、住宅が担保になります。 ECサイトの場合は、ECサイト事体が担保になれば、解決するのではないでしょうか。

サイトの売買は既に行われているビジネスになりますので、ECサイトの買い手が見つかる可能性も高いはずです。
ECサイトのM&A一覧

ECサイトの運営費用から毎月の支払を得る

借金を支払えない時にECサイトを差し押さえるのとは別に、ECサイトの運営費用から毎月の支払を得る方法も考えることもできます。(これは法律の問題もあるかもしれませんので、できない部分もあるかもしれませんのでアイデアとして)

Yahoo!ショッピング、Amazon、楽天は、先にモール側にお金が支払われ、後に運営者に送金していますので、お客さまから購入が立ったタイミングで、返済の支払を抑えることが可能です。

また、モール以外でも、同じ手法で返済の支払を抑えることが可能なサービスもあります。

例えば、運送会社が行っている代金引換サービス、クレジットカードなどの決済代行会社、倉庫業者などは入荷している商品を担保にすることもできるでしょう。

 

まとめ

ECサイト向けビジネスローンの将来性あると感じており、加速させるためには間に入る信用格付機関のような存在が重要になるだろうと考えています。

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信用格付機関に関しては当社のようなECサイトの構築と支援ができる会社は豊富なデータが持てますのでいい立場になれるのではと感じます。

借り手に関しては、ECサイトの稼働実績が重視されるローンになると思いますので、一定レベルの成功しているECサイトにある必要があるでしょう。
つまり、新規出店ではデータが少なすぎるので融資を受ける事が難しいともいえます。

ECサイト向けビジネスローンはまだ想像の域を出ませんが、実現度は高くないと思います。

むしろ、実現して多くのECサイトが活用しはじめれば、ECサイトの店舗間の格差はより拡大していくでしょうから、これは危機になりえるかもしれません。

なので、今考えるべきは、「いち早く一定レベルの成功しているECサイトになっておいて、未来に期待できる状況を創りましょう!」といった所です。

この記事を書いた人

EC業界の今