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中国越境4年目の日本人起業家が語る、中国EC/Tmallの実態最前線!!

中国・上海で直営のセレクトショップ(ファッション)や、日本ブランドの代理ショールームなどの事業を展開されている株式会社パブソン様は、これから中国市場への進出をめざす日本企業への支援も手がけていらっしゃいます。

今回は、代表取締役の兒玉公人様に、日本の大手企業も続々と参入しているTmallをはじめ、今まさに爆発的な成長を続ける中国EC市場の実態について、現地からのリアルな視点でお話していただきました。

“中国で売れるもの”を集めていくと日本ブランドになる

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パブソンはメイン事業の一つとして、上海に直営のセレクトショップを1店構えています。そこで日本やアメリカ、フランスといった海外ブランドの、主に男性向けインポートファッションを扱っています。

 

セレクトショップと平行して、他の日系企業向けにタオバオ(淘宝網・タオバオワン:中国最大のECショッピングサイト。CtoC中心の中国EC市場を長くリードしてきた巨大サイト)での店舗運営といったサポートも行っています。

 

正直なところ、セレクトショップ事業でもタオバオの店舗運営でも一般的に、日本ブランドは他国のブランドに比べて仕入れ値が高い傾向にあり、買いつけ側から見た取引条件はけっこう厳しいんですよ(笑)

 

それでも、そんな日本のブランドが全体の6割以上を占めているというのは、「“中国国内で売れるもの”を集めた結果」として自然にこうなったという感じです。

 

つまり、僕らが中国で運営するお店「FASICART」のお客様にとって、「欲しいブランド」=「日本のブランド」ということなんですね。

そういったところに、すごく大きなチャンスを感じています。

 

中国EC市場へ進出したい企業にとって“追い風”の時期

 

中国のEC市場は、これまでタオバオなどのCtoCショッピングサイトが中心だったんですが、この数年で「Tmall(中国最大手のBtoCショッピングサイト)」のようなBtoCが、市場におけるシェアを大きく伸ばしてきています。今のところは、それでもまだCtoCのシェアが6割くらいはあるんですが、BtoCの伸び代を考えると今後は変わってくると思います。

 

そうした中、今年4月には外資参入規制の大幅緩和が実施されたことには、中国政府からの外資を呼びこもうという意思表示を感じています。

現在すでに日本からも大手を含む様々な企業がTmallに出店していますが、そうした企業にとっても、これから進出しようとする企業にとっても、今は“追い風”だと思います。

 

実際にTmallに出店すると売上げはあがるのか

 

たしかに追い風ではありますが、では実際にTmallなど中国EC市場に進出した企業の売上げはどうかというと“ゼロイチ”という印象ですね。

儲かっているところはすごく儲かっているけども、一方でやっぱり損益分岐点を超えるのは、それほど簡単ではないという実態もあります。

 

その背景には、ビジネスモデルとしてけっこう固定費がかかることが多いことや、日本国内のECとは全く異なる中国ECの商習慣に慣れていないということがあると思います。

 

とくに商習慣の違いについては、たとえば一番分かりやすいところでは、カスタマーサポートの方法です。

基本的に電話は使わず、ほぼチャットでやりとりをします。さらに問い合わせの内容が「安くならないか」とか…日本ではあまりない質問だと思うんですけど。(笑)

 

こうした細かな商習慣に1つ1つ対応していくのは、進出したばかりの企業にとってはけっこう大変なことです。

 

中国に進出した有名企業の現在は?

 

現在、中国にはユニクロさん、ワコールさん、雪肌精さん(コーセー)、JINSさん、象印さん、CASIOさんなど、様々な分野の有名企業が進出していますが、いずれも以前に比べて大きく売上げを伸ばしています。

日本の商品が、中国で人気があるということもありますが、それだけでなく、こうした有名企業であっても、それぞれ様々なかたちで中国の商習慣に対応されているという実態もあります。

 

ただ日本の場合、一つ一つの商品やコンテンツは非常にクオリティが高いんですが、売り方が少し下手なところがあるのかなと思います。

 

売り方という点では、韓国がすごく頑張っているという印象があり、勉強になるなと感じます。

 

これから中国EC市場へ進出する中小企業における成功のポイントとは?

 

テクニカルなポイントとして、1つはやはり先ほど言ったような中国特有の商習慣に慣れるということ。

そして、もう1つは投資を継続的に行っていくということですね。違う国でのマーケティングですから、一度にドカンとつぎ込んでも当たることはほとんどない。そういう意味で、分散して少しずつ継続的に投資していくことが大切です。

さらに、どうやって認知度と集客を上げていくかというところも1つですね。

 

でもじつは、もっとも重要なのは「本気でいく」というマインドですかね。

中国市場はECに限らず、全体的にぐんぐん大きくなっていますが、それだけに世界中から強力なライバルも多く集まってきていて、よく戦国時代とかワールドカップとか言われたりしています。

そうした強豪がいるということを本気で考えて、覚悟してこないといけないっていうのは、絶対ありますね。

 

日本企業にとって中国進出が“追い風”の今、個人的には進出した方がいいと、強く思っています。

ただし、非常に難しい市場なので、本気でこないと。

何はともあれ、けっこう本気じゃない感じでくる企業さんをお見かけすることもあるので…(笑) 片道でくるくらいの「本気で」来るべきだと、僕自身への自戒もこめていつも思ってます。

 

株式会社パブソン 代表取締役 兒玉公人様

株式会社パブソンは日本企業の中国進出支援や、実際に中国国内において自社で経営するカルチャー発信型のファッションセレクショップ、ショールームを運営する会社です。

 

(文:城戸誉子/ライター)

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