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EC業界の雄「コスメランド」が実践するCRM活用術とは。 10年以上の運営で培ったノウハウは、アップデートすることが最大のアドバンテージ

競争が激化するEC業界の中でも、品質や価格の面から商品のコモディティ化が進み、より一層サイト間の差別化が難しくなっているコスメEC。そんな同分野のトップランナーとして長年業界をけん引し続けているのが、株式会社イノベートが運営を手がける「コスメランド」です。今回は同社のEC営業部サイト運営ユニット長の杉原眞仁様に、CRM活用法という切り口からコスメEC業界で生き残るためのヒントを伺いました。

コスメEC市場における「コスメランド」の現在地

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かつては百貨店やドラッグストアで購入するのが一般的であった化粧品も、今ではECを通した購入経路が広く浸透してきており、その取引額は月間で100億円にも上ると言われています。

当社は、2003年にECサイトを立ち上げ、現在は自社ドメインをはじめ、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど8店舗を展開していますが、今では業界内で国内1位の売り上げを誇るまで業績を伸ばしてきました。以前は全体の売り上げのうち楽天市場店が95%を占めていましたが、現在は同店の売り上げを落とさずその比率を60%にまで引き下げ、他店での売り上げを年々上げているという状況です。

コスメEC市場は年々拡大傾向にあり、利用する年齢層も非常に幅広いため、サイト間の差別化も簡単ではない時代に突入していると実感しています。その中から選ばれるサイトとなるためにも、価格はもちろん、品ぞろえ、サービス、売り場づくり、そしてCRMといったリピート対策まで手を抜かず、「圧倒的業界No.1」を目指している最中です。

メルマガはもう効かないという時代に、逆行する。

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当社が顧客リピート対策として開店当初から続けている取組みがメールマガジンの配信です。ECサイトにとって、メルマガは顧客とコンタクトを取り続けるための要とも言える存在ですが、サイト数が増加し、インターネットを通した商品の購入が当たり前となった今、かつてのように「(メルマガを)送れば売れる」という時代は終わっています。というのも、顧客側も読むメルマガ・読まないメルマガを選別してきているからです。

実際に当社も数年ほど前まで、メルマガ会員の登録者数の増加に伸び悩んでいた時期がありました。そこで2~3年ほど前から、既存の購読者が逃げないよう、お客様を大事にするメルマガづくりを見直しています。

では具体的に何をしているのか? まず誰に、どのようなメルマガを送ることが効果的なのか、トライアンドエラーを繰り返して検証しています。購入回数や総額、購入したブランドなどといった履歴から、顧客を5つほどに分類し、それぞれの層に刺さるような内容を配信しているんです。例えば、購入頻度の低い方に1日に何度もメルマガを送りつけては、ブランドイメージは悪くなるばかりでしょう。それならば、週に2~3本に配信本数を絞り、クーポンを付ける方が効果的です。

地道な作業ではありますが、一番はそうしたメルマガ配信の“勘どころ”を探るために、配信後に各リンクがどれくらい押されているのか、クリック数が少ないものはなぜ少ないのか、コツコツと実績を見ながら考え続けることだと思います。

時代の潮流を意識した顧客とのコミュニケーション

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また、ここ数年、主要デバイスがPCからスマホになったりと、消費者のデジタル環境も変わってきていますが、これを意識したCRM対策も怠るべきでないと考えています。現に、楽天市場の決算報告では売り上げの47%がスマホになり、年々PCでの購入割合は下がっているのが現状です。

当社では、チラシタイプのメルマガを配信していますが、スマホで見たときに見やすいレイアウトや文字サイズにデザインを変更してみたり、ボタンを押しやすくするといった工夫もしています。また、配信タイミングについても、主婦層がネットを見る昼間に加え、通勤時にスマホでメールをチェックする人に合わせて、朝にメルマガを配信するなどしているんです。

デバイスの変化に加え、ここ数年で“当たり前”となったものといえばSNSです。しかし顧客がSNSに求めているものはユーザー間のコミュニケーションであって、そこから購買につなげるのは簡単ではない。どれだけFacebookの「いいね!」数を稼いだところで、それが直接的に購買につながる実感はあまりありません。今後SNSをどのように活用するかは、コスメEC業界全体の課題だとも思います。

インタビュー後記

今後の施策としては、読み物となるようなメルマガを作っていきたいという杉原さん、「メルマガのコンテンツ化」によって、ブランドのファンを増やし、読まれるメルマガを目指したいとのことです。ちなみに、2003年にコスメランドのサイトがオープンしてから、最も長く同サイトを愛用している方で購入歴10年ほどになる顧客もいるのだとか。年々増加し続けるコスメECの中でも、“常連客”をつかむことは十分に可能であるが見て取れます。そのためにも、同社のように毎日コツコツと、かつ顧客の需要にマッチした情報を提供し続けることが大切なのでしょう。

■会社紹介
株式会社イノベート

■運営サイト
http://www.cosmeland.jp/

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