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2014年度のふるさと納税、寄附件数が全国一位の「綾町」。現状と課題とは?

地域活性化策として話題の「ふるさと納税」。特産品を通して納税者と繋がり、地域の産業や企業のアピールができるマーケティングツールとも考えられています。

綾町は、飛躍的な寄附実績の伸びを見せ、2014年度の寄附件数が前年度比約4倍の約6万7500件で全国1位になるなど、その躍進ぶりが注目されています。

今回は、綾町役場で総務税制課ふるさと納税係係長の山口貴之様に、ふるさと納税の現状や今後の取り組みなど貴重なお話を伺いました。

6万件を超えるふるさと納税のチーム体制は?

綾町のふるさと納税係の体制は、専任の職員がいない状態なんです。
町税係の職員3名と臨時職員2名の計5人が、それぞれの仕事をしながら、ふるさと納税担当者として対応しています。

とはいえ、電話やメールの問合せも非常に多い状況ですので、近くにいる別の係担当職員にも手伝ってもらいながら対応しているのが現状ですね(笑)

本気で取り組めば伸びる!可能性を感じたふるさと納税

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平成20年度から始めたふるさと納税ですが、本格的に取り組み始めたのは平成22年度あたりからなんです。

当時の担当職員2名が、全国でふるさと納税の先進地である鳥取県の米子市に、視察研修に行ったことがきっかけでした。そこで「綾町でもふるさと納税を本気になって取り組めば伸びるんじゃないか」という可能性を感じてきたといいます。

飛躍的な寄附実績の伸び、その背景には地道な取り組みが

ふるさと納税を始めた当初は特産品も7つぐらいでしたが、じょじょに数を増やしていき、インターネットでの申し込み受付を始めるようになりました。

「ふるさとチョイス」さんに申し込んだのも、他の自治体さんに比べてわりと早い段階だったので飛躍的に寄附件数が増えていったようです。

ほかにも特産品や、企画などでもふるさとチョイスさんのネット特集をよく活用していて、一度メディアさんに出たことでテレビだけじゃなく、活字媒体などにも連鎖的に取り上げていただきました。

平成26年からクレジット決済を導入して、より寄附がしやすくなったことも件数増加の要因になったんじゃないでしょうか。

今後の取り組みとして、町の独自のふるさと納税のポータルサイトを作り上げているところなんです。ここではふるさと納税の窓口だけでなく、綾町のいろんな情報を発信していくつもりです。

生産者の方のインタビューを定期的に載せたり、町のちょっとした話題や綾町の風景の写真などを掲載していって、そこから綾町のファンを増やしていけたらいいですね。

特産品には“綾町と事業者の想い”も一緒に

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特産品を送る際に、綾町からはお礼状なども同梱しているので、事業者さんからもアピールできるものを入れたり、リピーター獲得のための取り組みとして、どんどん宣伝に利用してもらいたいと伝えています。

ほかにも発送に使う箱などのデザインを考えて、綾町のイメージの統一化を図っているところです。

全国初の試み!綾町×ソラシドエアコラボ企画の反響は?

ソラシドエアさんとのコラボ企画(ソラシドエアで行く照葉樹林都市ユネスコエコパーク宮崎・綾町の旅)や、飛行機のラッピング広告で綾町を宣伝していただいたり、ソラシドエアさんとはどんどん新しい企画を組ませてもらっています。

コラボ企画の反響もあり、昨年は50名ほど綾町に来ていただけました。
プランには「綾の旅札」をつけているので、照葉大吊橋や綾城、町内の施設などを見て回って、綾町をまるごと楽しんでいただきたいですね。

今後はさらに、綾町内での工芸体験や乗馬の体験、あと森林セラピーなど、季節によっていい体験プランがあるので、これらを組み込んだ企画も考えているところです。

昨年度の驚異的な寄附実績につづき平成27年度も?

今年は、特例控除額の上限の引き上げでふるさと納税枠が約2倍になったことや、ワンストップ特例制度が始まった影響からか、4月の寄附の申し込みが多く、昨年よりは若干多いペースで進んでいます。

かといって、昨年度よりまた何倍にも増えそうかと聞かれると、それはさすがにいかないです。

正直なところ、人気の特産品の生産が追いつかなくなってきていて、出荷数と受注件数のバランスがとれていない状況でして。
この現状で考えると、綾町としては昨年度ぐらいの実績の規模なのかなと感じていますね。

寄附金額の競争より綾町のファンを増やしたい!今後の課題とは

幸いにして昨年は6万件を超える方から寄附をいただき、綾町の名前を知っていただけたことになります。

今後はその方たちをリピーターへと繋げて、寄附だけでなく綾町の特産品を、直接事業者さんからの購入へと繋げていけるかが課題でしょう。

ただ、ふるさと納税という制度もいつまで続くかは分かりません。できれば綾町というひとつの地域ブランドを確立して、全国の方に綾町のものは安心して買えるというイメージを今から作っていけないかと考えています。

それにこの先、ふるさと納税は大きな自治体が真剣に取り組まれてくると思うんです。そうなると、町自体そこまで大きくない綾町では、寄附金額の競争は厳しいだろうと感じています。

金額競争よりも綾町をPRする取り組みでファンをたくさん増やしていきたい。そこから事業者さんにも直接的な取引に結びつくようになって、地元の事業者さんが元気になっていただければいいですね。

これからは、リピーターさんや綾町のファンをしっかりと作っていく、大事にしていくことが一つの目的になっていくと思います。

●綾町役場
HP:http://www.town.aya.miyazaki.jp/ayatown/
綾町 ふるさと納税特設サイト:https://furusato-aya.jp/

(インタビュアー:揚松晴也、文:甲斐 裕子/ライター)

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