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【第2回】管理会計のすすめ:意思決定(その1)

【1】前回の振返りと今日のゴール

前回は「第一回管理会計のすすめ」ということで、
【1】会計とは
【2】財務会計と管理会計の違い
【3】マネジメントに役立つとは
というお話の流れで、「管理会計:を大きな枠組みで紹介しました。
今回は、この「管理会計」の最大の目的である「意思決定」についてのお話です。

今回のお話のゴールは「意思決定」をする上で重要な以下の3つの事項を理解することです。

1.「あるべき姿」を明確にすること
2.「埋没費用」について理解すること
3.「機会費用」について理解すること

【2】1.あるべき姿を明確にする

まず、意思決定においては、比較対象を明確にすることが重要です。比較対象が変われば、意思決定も変わってきます。例えば、ある会社がAという選択肢が取れるとします。この時、同時にBという方法が取れる(AとBは同時に実行できない)場面があったとします。この時Aという選択がBよりも優れていると判断すれば、Aの方法を選択するでしょうし、さらにAよりも優れているCという選択肢があるなら、会社はCを選択するでしょう。このように会社はより優れていると判断した選択肢を実行するでしょう。

さて、ここで会社としてなにをもってA、B、Cを優れていると比較するのでしょうか?
明らかに判断が簡単な場合はいいのですが、会社の意思決定としてどの方法がより優れているのか議論になることは多々あります。このようなときに会社はどうやって意思決定をすればよいのでしょうか?ここではリスクとリターンの例を取って意思決定を比較しましょう。

選択肢A:
無条件に400万もらえる。

選択肢B:
1回コインを投げて表が出たら1000万もらえる。
1回コインを投げて裏が出たらなにももらえない。

選択肢C:
1回コインを投げて表が出たら2000万もらえる。
1回コインを投げて裏が出たら500万支払う。

期待値でいうと、選択肢Cが750万、選択肢Bが500万、選択肢Aが400万になり、選択肢Cが一番魅力的に思えます。
ただ、この選択肢で直感的に選択肢Cを選択する人は少ないでしょう。これは、だれもが期待値とともにリスク(不確実性の度合い)を考慮しているからです。リスク(不確実性の度合い)でいうと、A このように選ぶ人の主観によって、どの選択肢が魅力的かは異なります。

会社の意思決定といっても所詮人の合議体です。会社の意思決定の舞台として、個人の主観の議論を戦わせても不毛な議論になるばかりでしょう。このような場合に会社の意思決定としてその拠り所とはるのは、より上位の戦略であり、最終的にはビジョンや企業理念です。

このケースで言うと、会社はリスクを全く取らず少ないリターンを掲げる企業理念なのか、あるいはリスクをある程度取るビジョンを持っているのかといった事が重要になります。

そして同時に、この会社のビジョンを意思決定する合議体の多くの人が共有していることが重要になります。ビジョン・企業理念に沿ってどれが一番優れているのかという考え方を多く共有していれば、議論の論点が明確になり、不毛な議論になることはぐっと少なくなることでしょう。
他のケースでも同様の事が言えます。合議体に参加する人が、所属する部署や自分の立場のことを中心にばかり考えていれば、その議論は不毛になるでしょう(主観と主観とがぶつかるので、お互い相容れないのは当然です)。共通の会社の企業理念・戦略を共有し、この軸を中心としてどの選択肢が優れているかを議論することが意思決定にとって重要になります。

声の大きな人の意見が通ることは多々あるかと思いますが、意思決定する立場の人が、頭は冷静に、そして心はビジョンに向かって熱く意思決定することが重要になります。

そしてそのビジョンを従業員の方に浸透させ、意思決定した事を熱く実行してもらうことも同様に重要になります。

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