役員対談|役員かつ用務員のおじさん? 社員のハッピーだけを考える、チーフハピネスオフィサー(CHO)をアラタナが新設した理由【前編】

役員対談(後編)

2019年2月、株式会社ZOZOの創業メンバーである山田潤氏が、アラタナの取締役CHOに、就任いたしました。

CHOとは、Chief Happiness Officer(チーフ・ハピネス・オフィサー)の略で、社員の幸福度を高めることを目的とした働きかけを行う役職。Googleなどの世界的企業が導入していることで知られ、日本ではまだまだ導入事例が少ない役職です。

ZOZO前澤社長と二人三脚で会社をつくりあげ、専務として上場まで導き、アーリーリタイアした山田氏。濱渦・舩山が表舞台に無理やり引っ張り出したわけですが、山田氏が考えるハピネスとは?

潤さんソロ

取締役CHO 山田潤
1976年生まれ、福島県出身。ZOZOの創業メンバーの1人。
サーフィン好きが高じて、2015年、千葉から宮崎へ移住。音楽と自然をこよなく愛す。

「ZOZOの元専務で、ヤバい人が宮崎にいるらしい」

3ショット

ー3人の出会いは?

舩山 潤さんと初めて会ったのは、宮崎の海でサーフィンしていたときですね。
ZOZOグループに入ったときに、ZOZOのみなさんから「顔が専務に似てる!」と言われてました(笑)
しかも「ZOZOを辞めて、今は宮崎に住んでいる」と聞いて、顔写真をネットで調べたりしてたら、その3日後ぐらいに、宮崎の海の中で偶然、会ったんです。「あれ、この人どっかで見たことあるな…。ひょっとして写真で見たZOZOの元専務の人かも」と。それで「もしかして山田さんですか?」って、海の中で話しかけたのがきっかけです。

山田 一言で言うとナンパですね(笑)

濵渦 海でナンパして出会ったって、いいですね(笑)
宮崎でも結構前から噂になってましたよ。ZOZOの人が宮崎に家を建ててるらしいよって。

舩山 濵渦くんと潤さんが初めて会ったのは?

濵渦 アラタナがZOZOグループに入った後だったと思うんですよね。人づてで話は聞いてたんですよ。「ZOZO に昔山田潤っていうヤバい人がいて、その人がZOZOの社長だったらそれはそれで面白いって思えるくらいの人だよ」って(笑)

山田 いや、僕が社長だったらZOZOはとっくに潰れてます(笑)

濵渦 そうしたらアラタナがグループ入りすることもなかったですね(笑)

「好きなことをしてるだけ。カルチャーって、なんのこと?」

濵渦 ZOZOの「世界平和」とか「いい人をつくる」というカルチャーも潤さんがつくったと聞いたんですけど。

山田 全くそんなことはないですよ。

舩山 ZOZOのスタッフは1,000名以上もいるのに、ZOZOに行ったらみんなきちんと挨拶する。
そういうカルチャーって、潤さんが初期の頃にすごくきっちりやっていたから、潤さんが辞めた今でも脈々と受け継がれている側面があるんだなというのはすごく感じてました。

濵渦 僕もそういうZOZOのカルチャーに惚れてグループに入りたいなって思ったのですが、何よりZOZOBASEが衝撃的でした。
仕事柄、これまでいろんな物流倉庫を見てきましたけど、ZOZOBASEに初めて行ったときに、こんなに美しくてかっこいい倉庫があるんだって感動しました。何より働いてるみなさんが抜群に明るい。これはZOZOにはかなわない、いっしょにやるしかないって思ったんです。
濵渦さん1

山田 みんな口を揃えて「カルチャー、カルチャー」って言うんですけど、僕はそんなの気にしたこと一切なくて、好きなことや当たり前のことをやってたら、ああいう形になってたって感じで。
僕はあんまり何も考えずに普段どおりにやってただけです(笑)
いまだに僕は、みんながカルチャーだって言ってることがいまいち理解できなくて、それって普通なんじゃないの?って思ってます(笑)

舩山 潤さん的には好きなことを好きなようにやってるだけだし、大事にしたいことをただ大事にしてるだけっていう感覚なわけですよね。
たぶんサーフィンと一緒でスタイルだからそんなに意識してるわけじゃなくて、自然とそうなっているっていう。

山田 気づいたら「カルチャー」と呼ばれるものになっていたっていうのが正しいのかな。
理論だとか数字だとか概念だとか戦略というのはめっぽう苦手なもんで。感覚だけで生きてます(笑)

「隣りにいるのにチャットで会話。面と向かって話せばよくない?」

濵渦 “カルチャーをつくるってところに解がない”というのが答えだと思うのですが、その上で CHO としてアラタナをもっといい会社にするために必要なことって何だと思いますか?

山田 まだ就任して3ヶ月ほどですけど、やっぱり会話だったり対話なのかなと思います。アラタナはITの会社だから、ITの技術とか知識はずば抜けてあると思うんですよ。だからこそITに偏りがちで、チャットだったりメールだったりに頼りがちなところがあるんじゃないかなと思うんですよね。
だって隣にいるのにチャットしてたりすることもありますよね?
極端に言うとね、そんなの別に普通に話せばいいじゃんとか思うんです(笑)
電話やメールやチャットだと相手のコンディションやテンションが全然見えないし、だったらその人と直接会って話して、実際の空気感とか相手の表情を自分の目で確かめた方がよりリアルというか。
そもそも昔はパソコンもスマホもなく、人と人とで成り立ってて、そこにいろいろな機械や便利なものが入ってきて複雑になった部分もあると思うんです。もっとシンプルに人と人とがコミュニケーションをとれば必然的に挨拶もするだろうし、笑顔も増えるだろうし、困った人がいたら敏感に対応できると思うし。結局、機械は何もしてくれないというか。

濵渦 じゃあ僕らはITの会社だけど、CHOとしては非IT化を進めていくっていう(笑)

山田 バランスだと思うんですよね。すごく便利な面もあるし、僕もスマホは手放せない。でもそれに依存し過ぎちゃうと、便利な反面失うものも大きいと思うし、そこはバランス取れるといいのかなと思いますね。

「もうこのオファーからは逃げられないなと」

ー取締役CHO就任のオファーを引き受けてくださった理由は?

山田 アラタナがZOZOグループに入ってから4年ぐらい、濵渦くんや舩山くんからずっとオファーをいただいていたのに、断ってきてました(笑)
でも、自分が宮崎へ移住して、そのあとすぐにアラタナがZOZOのグループになって、濱渦くんや舩山くんと出会って。この流れは運命としか思えないから、断り続けても逃げられないのかなと(笑)
アラタナが会社として変革期だっていう話はずっと舩山くんから聞いていたので、 ちょっとでも何かお手伝いができるのであればと思った次第です。
潤さん1

舩山 僕とは初めて会ったときから仕事の関わりはまったくなかったですよね。基本ずっとサーフィンでつながっていて、海に行ったときに僕が仕事の相談とかしていて。利害関係なしで仕事のことも、プライベートも、なんでも相談できる人って、宮崎に移住してきた僕にはいなかった。
そんなときに潤さんに話を聞いてもらって自分の中でスッキリして、めちゃめちゃ救われてたなと感じたんですよね。
潤さんにはそんなつもりはなくて、ただ話を聞いてあげたという感じかもしれないですけど、うちの役員やマネージャー、メンバーにも、潤さんみたいな存在を用意してあげたかったんです。

濵渦 潤さんは気づいてないかもしれないですけど、世界一聞き上手だと思いますよ、僕の知る限り。
懐が深いというか CHO は天職なんじゃないかなと僕は思ってますけど。

山田 そろそろなんか「こういうことしてほしい」とか具体的にリクエストをくださいよ!(笑)

濵渦 僕のCHOの理想像として、「ビジネスのことは何も語らなくていいので、メンバーのハッピーだけを考える人」であって欲しいなって思ってます。
経営陣って、株主やクライアントだけに意識がどうしてもいってしまいがちだと思うんですね。そういうときにメンバーのことだけを振り切って考えるポジションというのが僕らにとっては必要で、その結果、理想的な経営ができるんじゃないかなと思ってます。
それにアラタナが、親会社が決めたことをやるだけの会社だったら、僕ら自身もZOZOグループ自体もおもしろくなくなると思うし、そういう意味ではバランスを取りながらいいカルチャーをつくって、いい方向に会社を導いていける“バランサー”になってくれるのが潤さんであり、CHOの役割かなと考えています。
まだ3ヶ月しかないですけど、やっぱり取締役会や経営会議で潤さんが発する一言一言が、議論をいい方向に導いてくれてるなっていう感じはしてます。

後編へ続く

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